2022.2.28
最近は日本の大学を経ずに高校卒業後直接に海外の大学を目指す高校生が増えている。勿論1980年代あたりの日本の経済発展の時代には普通の家庭でも子供を海外留学させることが可能になったことを受けて日本人留学生が急増した。しかし筆者はこの時代の日本人留学生の質が必ずしも高くなかったことを記憶している。ハワイ大学は英語が出来れば難関校ではないがその正規留学学部生になる為の語学コースがあり定員の何十倍の学生がいた。其の殆どは正規に入学することなく語学留学だけで帰国していた。日本の大学を落ちて海外留学する生徒も多かったのだ。しかし最近の傾向は少し以前と違っている。学部留学する生徒のレベルが高いのだ。昨年で言えば開成広尾学園渋谷学園渋谷幕張両校都立国際などから数十名が海外一流大学へ留学している。この中には日本の難関大学に十分合格できるレベルの生徒や実際に合格しても入学せず海外の大学に進む生徒も多い。以前はこういう直接高校から海外の大学へ合格する生徒はほとんどがインターナショナルスクールの出身だった。国際バカロレアのコースを設ける非インター高が増えたのも一因だ。筆者はこの傾向は個人的には必ずしも悪いことだとは思わない。しかし国全体で見れば将来の貴重な人材の流失だ。だが国内の大学がその学校としての学び易さや学問的レベルの整備や絶えざる改革を怠けたつけであるとすれば致し方ない。まずは生徒に魅力ある大学に改革することが第一だ。大学も優秀な生徒に来ていただく為にに絶え間なく自己改革しなければならない。
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