東大叡智会

不思議な運命の人

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2022.3.6

エフゲニー.アクショーノフ(1924-2014)はロシア革命を避けて亡命したロシア人の父とドイツ人の母のもと満州ハルビン郊外に生まれた。そこで出会っ日本人の招きで早稲田国際学院で学びその後慈恵医科大学で学び医師となる。外国人が珍しくなおかつ日本語が堪能な彼は映画に出演したこともあるようだ。日本語英語中国語ロシア語ドイツ語ギリシャ語に堪能な彼は戦後はGHQの通訳も務めた。東京麻布で「インタナショナルクリニック」を開業し亡くなるまでそこが彼の職場であった。お金のない外国人を無償で診ることもあった。日本を訪問した著名な外国人も多く診察した。生涯無国籍を貫いた。特定の国籍はなかったかもしれないがある意味すべての国が故国だったのかもしれない。

 

荘百洋(1924-1986)は日本統治下の台湾に生まれた台湾人だ。農業技術者としてフランス領インドシナ(ベトナム)に派遣され仕事上の必要からベトナム語を学んだ。戦後日本語通訳として戦争に協力したとしてベトナム側に逮捕された。アジアの解放を夢見ていた彼は戦後フランスからの独立戦争でベトナムに協力した。ベトナムの独立後は台湾帰国も考えたが既に現地で家族をつくっていた彼は帰国の道を選ばなかった。ベトナム戦争後に始まった中国との中越戦争で難民となり家族16人で日本に亡命した。日本では通訳として活躍した。娘の翠明さんもベトナム語日本語中国語が堪能だ。一人は国籍を求めずもう一人はアイデンティティとしての国籍を求めたのだろうが基本的に人は国籍より生き方で価値が問われるとの生き証人のような人たちである。。

 

 

 

 

 

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