東大叡智会

断頭台の露と消えた近代化学の父ラボーアジェ

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2022.3.22

アントワーヌ、ラボアジェは1774年化学物質の体積と質量を精密に量り化学反応の前後で質量が変化しないという質量保存の法則を世界で初めて発見した。ここから偉大な現代化学の歩みが始まったのだ。毎年ラボーアジェと質量保存の法則の話を生徒にするが大抵の生徒は「はー?」。とあまりかんばしい反応がない。彼らにとって化学物質は反応前と反応後で変わらないというのは当然すぎることなのだろう。

ラボアジェ(1743-1794)はフランス・パリに生まれた。質量保存の法則と「酸素の発見」で有名だ。ご存じの方も多いだろうが酸素の存在が提唱される以前は長い間「フロギストン」説が信じられていた。燃焼は分解反応であり燃焼物の中にあるフロギストンが出てきて熱や炎を生じるという説だ。この節が正しいならば燃焼後燃焼物の重さが減るはずだが、実際には勿論増えるので当時の化学では上手く説明が出来なかったのだ。ラボアジェは燃焼後の正確な重さを量り重さが増すことを確認した。これは燃焼物がある物質と結びつくことが原因だと考えこの物質を酸素と名付けた。世はフランス革命の時代だった。

フランス王ルイ世の元で徴税請負人(不正が多く民衆を苦しめた。)を勤めていたが、彼自身は純粋な化学者で不正には加担していなかったのだろうが、革命の熱狂は彼をも容赦しなかった。著名な科学者たちは処刑中止の嘆願を出したが1794年即決裁判でギロチンで処刑された。著名な数学者天文学者のラグランジュは「彼の頭を切り落とすのは一瞬だが彼ほどの頭脳を得るには100年はかかる。」と嘆いた。

 

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