東大叡智会

大学入試英語問題の変遷

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2022.4.3

大学入試英語は2000年以前に大学入試を受けた人達からすると著しく変わったと思う。まず問題文が長くなり圧倒的に量が増えた。質から量への変換があったのだ。Z会速読英単語第5版に拠れば1991年ー2008年において英単語数は京大(前期)681→1181大阪大(前期)987→1158 慶応(法)1853→4014 早稲田(文)840→3725と分析されている。二次試験が読解中心の最難関国立大では単語数の増加則ち文章の長文化は比較的緩やかだが、私立トップの早慶は著しく量が増えている。同書には3000単語は英文テキスト16ページに相当するとある。私の教室でも一回に見る単語を増やすために英検各レベルの単語熟語の問題を最低でも毎回25題解くことを勧めている。一題につき4個の英単語熟語が選択肢に有るので一回の学習で最低100単語は復習できるようになっている。かなりな進学校でない限り高校での英語学習は薄い教科書や問題集(しかも日本語がたくさん書いてある!)を一年で数冊というところだろう。この位の量では到底高いレベルでの英語読解力をつけるのは難しい。質云々の前に何より英語に触れる機会が少ないのだ。まして公立中学では3年間で薄ぺらい教科書を3冊読んだらおしまいだ。これで英語が話せたり聞けたり読めたり書いたりが出来るはずがない。以前は私の教室でも最初から「基礎英文問題精講」から原仙作先生の名著「英文標準問題精か」を殆どの生徒に使っていたが、今これをやれば脱落者の山だろう。これらの所謂内容が濃い参考書は東大や京大のような考えさせる読解問題を出し続けている大学を受験する生徒の専用教材になってしまったのかもしれない。原先生の英標がしっかり読めたら一生物の英語の基礎となるのだが今の世の中の需要に合わないのかもしれない。本当に残念なことだ。

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