東大叡智会

共通試験英語リスニング50%は異常な試験

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2022.5.1

2022年から始まった新制度共通試験では英語の配点がreading50%listeningが50%となっている。共通試験ではこの配点だが実際この点数を二次試験に加算したり独自に二次試験を行わない則ち共通試験丸ごと利用の大学の場合独自に配点を変えている学校もある.1対1を3対1にしたりである。東大では7対3の扱いになっているが二次試験の配点が圧倒的なので共通試験は合否にほとんど影響を与えない。問題は1対1の配点をそのまま使い二次試験の英語の配点が少ないか無い学校である。

海外の(そもそも英語は日本の言語ではないが。)英語が第一言語である英国米国の試験例えばTOFELiBTでは4分野speaking listening  writing  reading の配点はそれぞれ25%づつが基本だ。則ちlisteningは25%のみを占める。世界の英語試験についてはまた別の機会に述べるがこれだけを比較しても共通試験のlistening 50%の異常さがわかっていただけると思う。海外の高校大学大学院で学ぶには第一にしっかり早く正確に教科書や参考文献を読める読解力次に小論文essay を書けるwriting力だ。海外留学は英会話を学ぶ場所ではないしそもそも日常会話は最低限の英語力を示しているのみだから話せても学校の勉強についていけるとは限らない。日本の大学も同様だ。国立や私立大学難関校理系は今や大学院進学が当たり前になりつつあり多数の外国人留学生が在籍しており英語で書いたり発表したりするのが当たり前になりつつある。英語が読めません書けませんでは済まないのだ。こういう時期に大事な学問の将来の担い手である受験生にlistening50%は異常な試験ではないだろうか?これは試験を作る側一世代前の先生方の英語読めますが話せません聞けませんの英会話コンプレックスを反映した、また良く言えば次の世代には英語を話したり聞けたりして欲しい願望を反映したものだろう。

しかし英語のnative speaker は確かな語彙力や多読に基づいた立派な英語には感心するが上辺だけの簡単な会話力にはなんの関心も示さない。彼らの教養の底辺はギリシャ・ローマの古典だったり浅薄でない世界史やキリスト教の知識だったりなのだ。日本人がこのレベルに英語で達するには毎日ひたすら英語の多読新聞や雑誌j古典を読むしか無いのだ。早期にlistening偏重の英語共通試験制度を改めるべきだと思っているのは筆者だけではないだろう。

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