東大叡智会

吉川幸次郎先生の思い出

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2022.7.16

故吉川幸次郎京都大学名誉教授(1904年-1980年)が亡くなられて早40年以上が経った。教授は神戸にお生まれになり戦前の名門神戸高校から京都大学(当時は京都帝国大学)文学部で中国語中国語学・古典中国文学を学ばれた。若き学徒時代は、中国中国語の勉強にに徹するため、当時のシナ服で暮らし、中国語で会話し、中国語で論文を書かれたらしい。後には江戸期の儒学者、伊藤仁斎、伊藤東涯、荻生徂徠、新井白石らの研究著述も進めていった。生涯孔子を尊敬し、20世紀に儒者として生きられた。私は京都大学で学んだのでもなく先生と同じ専門でもない。受験生時代に漢文に興味をもち少し学んだだけだ。私が吉川先生の思い出と書いたのは20代半ばだろうか、漢文好きが高じてただ一度先生の講演会を最前列で聞いたからである。先生の最晩年の講演だったと思う。先生は健康状態があまり良くなく少し身体的に辛そうであった。しかしはっきりと「私は生涯儒者であり孔子の弟子である。」とおっしゃった。」此の言葉に私は少し知的興奮をもよおした。それからしばらくしてして新聞で先生の訃報に接した。若かった私は孔子没して2000年いまだ其の弟子と仰っている覚悟と学問に対する本気度に感動したのだ。既に亡くなられて40年以上が経つが吉川先生を忍びつつ先生の選ばれた「新唐詩選」(詩人三好達治との幸せな合作)や「論語」を読むのは私の密かな喜びだ。

 

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