東大叡智会

英語教師世界比較

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2022.7.31

筆者は海外の10カ国程(韓国。中国、ロシア、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、台湾、香港、オーストラリア、米国)の学校英語教室を見学し現場の英語教師と話しをした経験を持っている。教師の数で言えば数十人だろうか。この内米国オーストラリア以外は基本的に非英語国だ。しかし非英語圏の教師達と言葉の問題でコミュニケーションが取れなかったことは一度もない。この内ロシアでは極東の大きい都市の英語教師と話したり遠くアムール川を上ってサハリン向かいの真夏に雨が毎日降り泥濘んだ道を歩いて小さな町にある地元住人向けの短大のような学校の先生と話した経験もある。言葉は悪いがちょっとだけこの世の果て感は否めない感じだった。しかしあの英語が通じにくい国ロシアでそこの空間その時間だけは別物だった。数時間は話しただろうか学校を案内して頂き(先生はアジア系少数民族の若い女性の方)英語が通じる幸せを感じた。此等全ての教師たちは一度も英國や米国を英語圏に留学したこともなければ殆どの教師は英国人や米国人に英語を教わった経験もなかった。日本の様な恵まれた環境にはないということだ。(シンガポールは多少事情が違っていた。)しかしどの教師も英語圏の動向や世界の動向を英語を通して把握しており日本の事情にも精通していた。英語を道具として十分使いこなしているのだ。勿論日本で言えば最低でも英検1級レベルかそれ以上に達していただろう。インターネットを通じて毎日英語で書かれた新聞を読んでいた。翻って日本の英語教育を考えてみよう。かつては英文読解に偏った教育。現在は「羹に懲りて膾を吹く」極端なコミュニケーション重視の教育だ。一度も「聞けて話せて読めて書ける。」英語教育が定着したことはない。(文科省の努力目標ではある。)全国の公立中学・高校の英語教員のうち、英検準1級以上かそれに相当する資格を取得しているのは中学で28.8%、高校で55.4%だったことが25日、文部科学省の2014年度英語教育調査で分かった。とニュースにある。現在は多少改善はされているかも知れないが大差はないだろう。かねてから英語教師の資格を英検1級にすべきだと筆者は考える。ただし準1で教師になった場合1年から2年位で1級かそれに相当する資格を取れば英語教師を続けられるようにすべきだ。そうでない場合つまり努力しなかったものは英語教師の適性なしとすべきだろう。幸い筆者の経験から日本の数学教師の質は低くないと考えている。問題は英語教育にあるのだ。日本の中等教育の国際比較学力の向上には英語力の向上が欠かせない。英語教育には民間活力は欠かせない。国際的に活躍した商社員や銀行員に中には英語がよくできる方が多い。此の中で引退された方や転職された方たちに英語教師の資格を与える柔軟な運営が望まれると思う。

 

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