噂でなかった東工大と医科歯科大合併

2022.10.14

　2000年代前半、行政改革で中央省庁の統合再編が行われた。行政改革の流れは国立大学にも及び、大学の統合話が持ち上がった。

　その動きが、東京工業大、東京医科歯科大に一橋大、東京外国語大、東京芸術大を加えた「5大学連合」構想だった。人文社会自然科学がほぼそろっており、東京大に匹敵する規模となる見込みだった。此の中からオンリーワンを目指す芸大が抜けその後4大学連合は統合に至らなかったが、このうち東京医科歯科大、東京工業大、一橋大、東京外国語大の4大学で教育連携が行われるようになった。総合生命科学、海外協力、生活空間研究などのコースが設置され、4大学のどの学生も他の3大学の授業を受け単位を取得できる。それは、今日まで続いている。そしていま此の中から東工大と医科歯科大がいよいよ合併することとなった。学校名はいまだ決まっていないがプライド高い両校OBは何とか現在の名前を残したいことだろう。校名はともかくとして受験界では大きな変化が起きる可能性がある。筆者が受験生だった大昔から東大京大受験生にとって永遠にある疑問それは「何故東大でもなく京大でもなく同レベルの文系なら一橋大学理系なら東京工業大学受験なの？」である。東工大も一橋大も東京医科歯科大も学生の能力は東大京大と同じだ。これは大学側も学生側も同じ認識だろう。合併したらまさに第二の東大かそれ以上の大学になる可能性がある。学問を目指す学生には良い話だろう。