東大叡智会

大学入試共通テストの歴史

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2022.12.16

ここで少し大学入試の歴史を振り返ってみよう。共通一次試験は1979(昭和54)年度に始まり89(平成1)年度まで実施された,国公立大学の統一一次試験。正式名称は国公立大学共通第一次学力試)。私立大学は参加していなかった。それ以前は大学入試は全て個別の大学で行われていた。共通の試験など存在していなかったのだ。共通試験はそれ以前に行われていた東京大学の一次試験をモデルとしている。この試験は全選択式問題であった。「進学希望者の増加に伴って受験競争が激化し,入試問題において高等学校の学習指導要領から逸脱した難問奇問の続出,高等学校における教育活動への悪影響といった弊害が生じた。このため,国公立大学の入試制度の改革について,ドイツのアビトゥーアやフランスのバカロレアのような全国的な統一試験の実施を望む声が高まり,国立大学協会,大学入試改善会議,全国高校長協会などを中心に検討された。」と一般には書かれているが正直に言えば恐らくこれが原因とは思われないのだ。難問奇問は今でも二次試験で出題されているし共通一次が実施されて以降特に入試問題が改善されたという話は聞いたことがない。英語の文章量が増え内容が易化したのは事実だがこれは時代の要請であり必然だったのだ。恐らく個別の大学で入試問題を作成する事務的煩雑さを避ける為だったのだろう。この頃はベビーブーマー時代に生まれた人たちの子供が大学受験期を迎えていた。この結果,共通一次試験の準備機関として大学入試センター(日本)が発足し,数回の試行テストを経て実施された。5教科7科目をマークシート方式で解答。二次試験は各大学で個別の試験を実施した。共通一次試験はその後19990年から大学入試センター試験と改称された。その後今年度から大学入試共通テストと改称された。今回の改正では数学で記述式を取り入れることや英語の試験で英検等の民間試験を採用することも検討されたが結局見送られた。筆者はこれで良かったと思っている。数学の記述式は二次試験で行われるのでそもそも無意味だ。英語の民間試験はそもそも何回も受けられる年在住者が有利で不平等かつ何種類もの試験の難易度の平等を保てないので論外だ。

 

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