東大叡智会

「米国の大学に入試はない」は都市伝説

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2023.2.26

ある辞書によれば都市伝説とは「口承される噂話のうち、現代発祥のもので、根拠が曖昧・不明であるもの」とある。翻って米国の大学には入試がなく誰でも「どの米国の大学でも入るのは簡単だ。入るのは簡単だから入ってから頑張れば卒業できる」という都市伝説=願望も一般化している。この都市伝説が正しいならば日本国で成績最底辺の受験生でも、ハーバード大やイエール大、MIT大等に簡単に試験なしに或いは簡単な試験で入れることになる。厄介なことにこれを売りに高校経由で留学生を斡旋する業者が多い。最近は欧米でなく台湾や韓国も其の斡旋先となっている。中には奨学金も簡単に取れますよ。という無責任な業者さえいるらしい。筆者の教室でもこの手の業者の話を真に受ける子が時々いる。中には親でも真に受ける人がいる。考えれば簡単なことだが、見ず知らずの何の特別な能力もない外国人子弟の為に(しばしば英語さえ出来ない)、そして其の国の国民または永住者でもなく税金も払っていない親の子弟のためにそんな美味しい話があるわけがない。勿論本当に優秀な生徒で「余人を持って代えがたい」優秀な生徒の為には充実した素晴らしい奨学金制度がある。しかしそんな生徒は簡単な大学のadmission が読めなかったりしない。数々の国際数学や物理や化学のコンテストに入賞歴がある生徒は学校側が放っておかないだろう。因みに米国でtop 30位に入れる確率は同じ年齢の子のうち約0,4%位だろうと言われている。東大京大国公立大医学部は定員10000名くらいなので、こちらがよほど簡単だ。米国大学は極めて学費が高く、コスパが悪い。能力か努力の才能に恵まれた方は目指してもよいだろうが、一般的には学費の安い日本の大学が良い。ただし大学院で学ぶ場合や特殊な専攻の場合はこの限りでない。

 

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