東大叡智会

相撲は超近代スポーツだ

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2023.2.28

今多くのスポーツ選手やスポーツ愛好家が行っているストレッチ運動は筆者の記憶では1980年代にに米国から世界に広まり、大ブームとなった。日本でがは確か雑誌「ランナーズ」が最初に紹介し、広く普及したと記憶している。筆者は当時毎日ジョギングをしており、流行り始めたジョギングブームで「ランナーズ」の愛読者だった。当時この雑誌の企画で作家の村上春樹氏がマラソンに挑戦していた事も懐かしい。筆者もブームに乗った訳では無いが、調子には乗ってフルマラソンを数回完走したりしたものだ。元々米国では1975年にボブ、アンダーソンが「stretching」を著し徐々に広まったのが最初だ。。ストレッチ運動には二種類がある動的なものと静的なものだ。私自身は静的なものが本当のストレッチであり、動的なものはウオームアップと位置づけている。これには異論もあるだろう。当時は斬新な運動だ。と思った。相撲の股割りを知るまでは。相撲の股割りは静的ストレッチに最も近い。怪我の防止に効果絶大なのだ。相撲発生以来ストレッチは数百年の歴史がある。だがことはストレッチに限らないのだ。相撲に四股というのがある。下半身強化に絶大な効果がある。大横綱千代の富士は四股に熱心であり美しい四股姿だった。ここに興味深い実験がある。日大の研究者が残したものだ。学生に四股を実践してもらって,選手がどのようか効果を得ることができたのかを明らかにする目的で,「四股を実践して,どんな効果が感じられましたか」という質問を行なった。その結果,「下半身が強化された」が最多の32%,次いで「股関節が柔らかくなった」が23%,「バランス能力があがった」が14%,「脚のバネがついた」が 9 %,「体幹が強化された」が 9 %,技が滑らかになった」が 9%,「精神力・気力がついた」が 4%であった.全員競技力が向上したと感じていた。そして全員が成績を向上させた。他にも相撲には色々な斬新な方法がある。例えば体重を増やすには一日に2食が有効だ。朝食事抜きで早朝から稽古して昼食にお腹いっぱい食べれば、自然と眠くなる。食後すぐに寝れば筋肉と脂肪が付きやすい。これは長い間の知恵なのだ。これは他のスポーツでは有効ではないだろうが。最近スポーツは練習後30分以内にタンパク質を中心とした(勿論野菜も同時に取らないと駄目だが)食事を取れば筋肉が付きやすいということが言われている。こんな事は相撲界では昔から当たり前のことだ。理論化されていないだけの事で、昔から相撲は稽古が終われば直ぐに皆で鍋を中心とした所謂「ちゃんこ」料理を食べる。(力士が食べるのは全てちゃんこであり、鍋料理だけではないが)その他相撲には新弟子時に必ず講習があり、色々な座学がある。其の競技が如何に成り立ったのかを教わって力士としての自覚、心技体の心の部分の成長を促すのだ。こんな座学は他のスポーツではあまり行われていない。相撲はずっと先を行っている近代スポーツなのだ。

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