東大叡智会

The autobaiografhy of Bertrand Russel ラッセル自伝

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2023.3.12

筆者が若い頃、特に高校生時代最も影響を受け何度も読み返したのはバートランド・ラッセル( Bertrand  Russell1872-1970)自伝だ。その巻頭には感動的な言葉が掲げられている。敢えて原文のまま記そう。英語に興味がある方は訳出練習してほしい。

Three passions, simple but overwhelmingly strong, have governed my life: the longing for love, the search for knowledge, and unbearable pity for the suffering of mankind. These passions, like great winds, have blown me hither and thither, in a wayward course, over a deep ocean of anguish, reaching to the very verge of despair.

3つの単純だが耐え難いほど強い情熱が私の人生を支配した。即ち愛に対する憧れ、知識の探究、人類の不幸に対する耐え難い程の哀れみだ。この(3つの)情熱は強い風のようにあちらこちらと、あてもなく深海の如き苦悩を超えて絶望の淵に達しながら私の中を吹き荒れた。

この言葉さながらに、ラッセルは其の長い生涯において、第二の情熱Principia Mathematica: 「数学原理」において考えることの意義を問い、第一次世界対戦における反戦運動は第三の情熱である。まさに考え行動し悔いなく生きた生涯だろう。其の予想は全て当たったわけではなく、全て正しかった訳でなない。しかし思考すること、行動することの間に強い相関性がある。自分の為にずるく立ち回りの出来ない人だった。当に生きるに値する生涯だったと思う。今はこのラッセルの文章は昔ほど入試英語には出ないかもしれない。現在の英語は基本的に深く思考することを生徒に要求しない。時代にそぐわないのだ。しかし今と違う時代に深く考える教材に出会えた幸福は何者にも代えがたい財産だ。

 

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