2023.7.4
以前に一例として大阪市の公立トップ高校の英検取得率をブログに書いた事がある。その際大阪公立高校トップクラス(北野高校等)の学校生徒はおおよそ中2-中3の半ばまでに、英検2級は取得済である事を述べた。このあたりが平均的に難関大学受験への入り口となる。つまり最低ラインは高校入学時に英検2級取得済みということだ。では実際はどうか?少なくとも地方はこのレベルではない。そこでは生徒と親御さんの英語に対する認識がかなり低い。せいぜい英数国が主要教科と言う位の認識だ。筆者は「地方出身者が大学受験する場合、英語はまず首都圏関西圏の子たちにだいぶ遅れている」と考えてほしいと繰り返し述べている。入試のある中高一貫校ならまだしも、一週間に5時間程度しか授業がない公立中学では一年間で極薄の100ページ程の教科書がやっと終わる程度なのだ。これで英語のliteracy(読み書き能力)が上がるはずがない。おまけに近年は文法はいらない、英語でなく英会話能力に重点を置いた教育のせいで、ますます生徒の読み書き能力は落ち続けている。英文の多読をしなければ英語の高い学力は望めない。米国に留学しても英語のreadingをやらされるのだ。英検2級を中学で終わらせて、出来るだけ早くに準1級に挑戦してほしい。筆者の教室生には繰り返しこの事を動機づけしている。大学理系では英語の専門書を読まなければならず、研究の発表も英語でやらねばならない事が増えた。いまや英語は単なる受験教科ではない。必須の道具である。
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