2023.7.31
ノーベル医学生理学賞を受賞された山中博士の神戸大医学部の同窓に成田奈緒子医師という方がおられる。成田医師の労作「睡眠第一ですべてうまくいく」は子供の睡眠の大事さを説いている。睡眠に関しては曰く「睡眠は長さではなくその質が大事」「7時間睡眠の人が最も長生き」など果たしてどの様な調査に基づいているのか根拠となる資料なしに書かれる事が多い。その類の文章の特徴は「〰であると言われる」つまり書いた人は確たる確証がなく二次的な情報を信じて書いているわけだ。筆者はこのての話に甚だ疑問を持っている。しかし例えば成功をおさめた多くのアスリートが所謂「ロングスリーパー」であることは注目に値するだろう。テニスのフェデラーは一日12時間睡眠、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)やマリア・シャラポワ(ロシア)も平均10時間。サッカーのペレはできるだけ長く寝る事が良い選手に成るコツと説いている。野球の落合も長い睡眠時間で有名であった。睡眠は脳を休ませるのが主な役割だ。スポーツでも勉強でも脳が情報を上手く処理出来るようになるにはまずはしっかり休ませる事が大事なのだ。休めば起きたときに万全な状態で働けるのは自然な道理だ。
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