2023.8.1
算数が既にに苦手になってしまったか、苦手になりそうかで対策法はあまり変わらないが、学年により対策と苦手の中身は大きく違う。以下学年別に検討してみたい。中学以降の数学は別項目で述べたい。
1小学校3-4年くらいまでの段階で苦手な子 まずは日常生活の中で数と図形の認識が弱い子に多い。幼児期から数を数えたり、絵や図形を書いたりした子には起きにくい。此の場合ご家族が普段から数図形に対する話をしたり、見せたりすることが大事だ。所謂ビジュアル化である。計算は単純で易しめの物が有効。百ます計算も良いだろう。紙を使っていろんな図形を切るのも役に立つ。頭の中に数と図形の概念が出来上がるまで家族の辛抱強い子供との付き合いが大事だ。
2同じ3-4年生で上の内容に当てはまらない場合は読解力国語力の欠如の可能性が高い。教科書の内容が自分で読めていけない場合だ。国語力と算数の学力は低学年ほど相関関係が強い。此の場合は対処法が1と大きく違う。筆者の経験だと此の方の子が圧倒的に多い。此の場合子供新聞を読んだり、活字になじませて国語力つまり活字に慣れさせる事だ。全く本を読まない子に多い。
3小学校5-中学3年位まで。小学校5年生位から算数の抽象化が徐々に進む。此の段階で苦手になる子は非常に多い。ご両親が「小さい頃は算数が得意だったのにね~」と嘆くタイプだ。一個100円のおにぎりを5個買ったら100×5=500円、これは経験の中でわかるが、a個買ったら100×a=100a が理解できない子は多い。所謂具体的個別的な数字である5に変わる瞬間だ。しかし人は意外に賢い。5だけでは自覚できないが色んな数字を5の所に入れて練習すればそれが一般的に成り立つことがわかるようになる。
4同じ5年生で関数へと繋がる割合が教材に登場する。小数、分数、何割、何%が相互に比較されながら関連してくる。ここが小学校算数の最大の山場だ。Aという量をBという量に比較する、今までは何倍というより単純化した比較だったのが0.25倍だったり、分数倍だったりに変わる。つまり2つの量を変化する変数と考えるのだ。まさに関数の入り口はここなのだ。筆者の教室でも中学生で数学が苦手な子は必ずここから復習させる。其の効果は絶大だ。
© 2021 東大叡智会.