東大叡智会

受験古文の学び方

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2023.9.29

古文の学び方は大きく分けて二通り有ると言うことができる。これは方法の違いではなく目標の違いだ。即ち二次試験に古文が有るかどうかだ。もし共通テストだけなら古文に割く時間は最小で能率良くが原則だ。

1最小限度の単語の知識が必要。単語集によりその数は違っている。主な単語集で言えばマドンナ古文単語(学研)230 読んで見て覚える(桐原)315 速読古文単語(Z会)300  頻出古文単語(Z会)400等だろう。大体300前後である事がわかる。筆者はこの300語が大昔の受験生時代なかなか覚えられなかった、もっと少なくならないのかと思案したら、古文研究法(別項で言及した)の重要単語の説明は僅か100以下であった。これを自家製単語帳として作成し試験場へも携帯した。こういう方法もあるという参考にして頂きたい。

2文法として大事なのはまず助動詞の用法だ。これも最小限度で良い。「ぬ」「つ」「む、らむ、けむ」等だ。

3古文常識が大変役に立つ。中古文が書かれた平安期と鎌倉初期の恋愛感、趣味、暮らしと結婚の形態、宗教観。庶民は古文には出てこないので上級貴族の話だ。

4簡単な敬語、特に頻出する最高敬語の「せ給う」は主語の特定に必須だ。

5古文は基本的にダラダラと文章が続き主語が極端に省略される。その為に「誰が」とういう主語の特定が最重要だ。勝手に主語が入れ替わるのが基本だ。

6江戸後期から明治時代の凝古文が特に共通試験の古文では役に立つ。こちらは学ぶというより鴎外や露伴を日頃から読んで楽しめば受験に役に立つという話だ。この知識は漢文にも大いに役に立つ。

7以上のような知識があれば受験が終わってからも「源氏物語」以外の古典が大体読めるようになる。自国の古典が最小限の努力で生涯楽しめるのだ。筆者はこの方法で「今昔物語」「宇治拾遺物語」「問わず語り」「伊勢物語」等々を楽しんで読めるようになった。受験に始まった古文学習がそれ以上のものをもたらしてくれたのだ。

 

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