東大叡智会

偏差値別受験英語学習法

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2023.12.9

大学入試に向けての英語学習はその時点での偏差値がどの位かで、勉強方法内容が全く違っている。以下、いくつかのグループに分けて解説したい。

① 偏差値50以下 所謂英語が苦手な子達のグループだ。共通試験で言えばReadingが50点辺りか、それ以下のグループだ。教える教師の中には、中学の教科書を復習しなさいという教師もいるかも知れないが、能率的ではない。教科書は自学自習書ではない。殆ど理解できている子達には,何か落としている箇所、記憶忘れを確認する意味はあるだろうが、既に英語が苦手な場合はそもそも自分で英語を読んでいけないのだから、教科書の復習は能率的ではない。まず最初にやるべきは、中学レベルの熟語、相関語句を何遍も復習して完全に記憶することだ。中学レベルとバカにしてはいけない。中学レベルとはいえ、最大で400位はあるのだ。しかもきちんと整理記憶されていなければならない。例を挙げよう。enough to 不定詞を使えても、enough not 不定詞が使えなければいけない。しかもこれは作文用の熟語だという自覚も必要だ。漠然と「〰に十分な」位では入試には使えないのだ。此位の偏差値の生徒たちは、これが中学レベルだと気づいてはいないことが多い。中学入試を経ていない公立中学の授業でそこまで教える教師もいないと思われる。筆者の言いたいことも、まさにそこなのだ。中学レベルを高校入学後に、一段高い立場から復習して欲しい。

②偏差値50ー60前後 非難関高校のトップ層や、難関高校の中堅から下位層にあたる。共通試験で言えば、50点ー70点辺りの層だ。このあたりは二次試験を中心として、共通試験の準備も怠りなくするという考え方が良い。重点を英語構文に置きながら読む量を増やしていくことが大事だ。丁寧な文法語法の解説授業が必要。「基礎英文問題講」「英文解釈教室」等の定評ある参考書を一冊で良いのでしっかり仕上げることが大事だ。最低でも3周りはして欲しい。質の高い英文=抽象性が高い英文を読むことも大事だ。読む量を増やすという考えが正しい。量と質をうまく配分して欲しい。

③偏差値60以上 共通試験で言えば70点以上のレベル。70点と90点以上では対策が違うようで、実は大して変わらない。Z会の速読英単語中級、上級はどちらもしっかり読んで欲しい。しかし迂闊に原書に手を出したり、英字新聞を読んだりは受験だけを考えれば得策ではない。難関大学(旧帝一工早慶)レベルの受験生は抽象的な文章、難解な文章に慣れる準備をすべきレベルだ。国語の読書量があれば、英語も伸びるのがこの層だ。英検準1級を受けて刺激を受けよう。

④偏差値70以上 共通試験で言えば、常時Reading 90点以上のレベルだ。とりあえず共通試験満点を目指そう。5番6番は正解率が低く、時間を取られやすい。過去問を厳し目に、時間制限のもとで解くべきだ。最低でも解答時間が10分くらいは余るのが目処だ。同時に英語の易しめの新聞、Japan Timesは難しいかもしれないが、それ以外の英字紙なら読んでいけるだろう。自信がある人は東大の英語教科書「多元化する世界を英語で読む」「共用英語Ⅰ Ⅱ」等を読めば世界が広がり、大学英語教師の出題意図も掴み易い。

以上①〰④まで書いたが、違うレベルに挑戦するのは良いが、大幅に能率が落ちる。その段階に応じた教材の選択に注意しなければならない。時間は豊富に有るようで無いのだ。

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