大学校歌ランキング

慶應義塾なので校歌ではなく塾歌である。詞とメロデイが見事にはまった名曲だ。信時潔の名曲である。明治維新期の荒れすさんだ江戸の町で、慶應義塾だけは文明の光を与える存在であるという、誇り高き校歌だ。

一、見よ風に鳴る　わが旗を　新潮寄するあかつきの　嵐の中にはためきて　文化の護り　たからかに貫き樹てし誇りあり　樹てんかな　この旗を　強く雄しく　樹てんかな　あゝわが義塾慶應　慶應　慶應

二、往け　涯なきこの道を　究めていよゝ遠くとも わが手に執れる炬火は 叡智の光あきらかに ゆくて正しく照らすなり 往かんかな　この道を遠くけく　往かんかな　あゝわが義塾慶應　慶應　慶應

三、起て　日はめぐる　丘の上　春秋ふかめ　揺ぎなき学びの城を承け嗣ぎて　執る筆かざす　わが額の　徽章の誉　世に布かん生きんかな　この丘に　高く新たに　生きんかな　あゝわが義塾慶應　慶應　慶應

①法政校歌　　　　佐藤春夫　作詞　　近衛秀麿　作曲

正直筆者としては慶応塾歌と甲乙つけがたい。同率一位としたい。「命の限り愛する母校」のフレーズが率直で力強い名曲だ。詞は大正期の詩人作家で有名な佐藤春夫、当時は法政文学部の教授であった。

一　若き我らが命の限り　ここに捧げて（ああ）愛する母校　見はるかす窓（の）富士が峯の雪　蛍集めむ門の外堀
　　よき師よき友つどひ結べり　法政　おお　わが母校　法政　おお　わが母校
二　若きわれらが命のかぎり　ここに捧げて（ああ）愛する母校　われひと共にみとめたらずや　進取の気象　質実の風　青年日本の代表者　　　　　　　法政　おお　わが母校法政　おお　わが母校

③明治大学校歌　　　　　児玉花外　作詞　　　山田耕筰　作曲　

1920年制定　歴史ある校歌だ。筆者的には詞に少し古さを感じてしまう。立身出世と個人ではなく国家に有用な人物という視点だ。しかし明治という時代はそういう時代であったのだ。

一白雲なびく駿河台　眉秀でたる若人が　撞くや時代の暁の鐘　文化の潮みちびきて　遂げし維新の栄になふ　明治その名ぞ　　　吾等が母校　　　　　　　　　おお明治その名ぞ吾等が母校　

二権利自由の揺籃の　　歴史は古く今もなほ　強き光に輝けり　独立自治の旗翳し　高き理想の道を行く我等が健児の意気をば知るや　　我等が健児の意気をば知るや　
三霊峰不二を仰ぎつつ　刻苦研鑚他念なき　我等に燃ゆる希望あり　いでや東亜の一角に　時代の夢を破るべく　正義の鐘を打ちて鳴らさむ　正義の鐘を打ちて鳴らさむ　

　④　早稲田大学　校歌。　作詞　相馬御風　　作曲　東儀鉄笛

創立25周年（明治40年）に制定された伝統曲。大学校歌としては最も知られているものだろう。やや立身出世というより、社会の中の自分の立ち位置を明確にしたいという、詞の中にいい意味の自己主張が読み取れるだろう。早稲田らしい、いい校歌だ。

一　都の西北早稲田の杜に　聳ゆる甍はわれらの母校　われらが日ごろの抱負を知るや　進取の精神　学の独立　現世を忘れぬ久遠の理想

かがやくわれらが行く手を見よや　わせだわせだわせだ〰わせだ

二　東西古今の文化のうしお　一つに渦巻く大島国の大なる使命を担ひて立てる　われらが行手は窮り知らず　やがても久遠の理想の影はあまねく天下に輝き布かん　わせだわせだ〰わせだ

三　以下略

⑤　東京大学には校歌は無いが、東京大学応援歌「ただ一つ」を「東京大学の歌」としている。この曲は学生が作詞・作曲した応援歌だ。

意外にも「友よとも」という連帯を訴える詞があるが、注目すべきはやはり「天寵を負える子ら」であろう。社会的立身ではなく、学問的エリート意識だ。それは同時に社会に学問で貢献するという姿勢の表れでもある。

一　ただ一つ 旗かげ高し　いまかがやける 深空の光天寵を 負える子ら　友よ 友　ここなる丘に 東大の旗立てり　伝統の旗 東大の光　
たたえ たたえん　たたえ たたえん