塾技シリーズ 算数

2024.6.19

中学受験の市販教材は大学受験に比べて市場が小さいために、定番と言うことが出来る良いものが極めて少ない。中学受験生の多くが特定の塾に偏っているために、塾の教材を使う生徒が多い。その一部は売買の対象になっている程だ。しかし筆者のような長く受験界に居るものとしては格段それらが特に良い教材かと問われれば、市販の優れたものや、Z会の教材で十分代用出来ると思われる。偏差値の高い＝難易度が高い中学は、勢い難しい問題が多い。特に試験を課す側は算数で生徒を峻別する必要があるのだ。これらの難問は多くの市販の教材には記載されていない。その中で塾技シリーズは難問の解説が巧みで、比較的多くの読者を得ている。塾技算数は数回改定されているが、旧版からの改定箇所は多くない。初版でも十分に使用に耐えうる。①から-100番まですっきり整理されているので、どれ位の期間で使うのか、何回繰り返すのか、いつ使うのか等々、目処がつけ易いという利点がある。偏差値60未満の中位校受験なら必ずしも、チャレンジ問題を解く必要はない。例題と右側の練習問題で十分だろう。筆者の教室でも、無理はさせず何往復もさせて確率を上げる手法で教えている。中位校志望の生徒に難し過ぎる問題はストレスとなり、学力不信の元となるので注意が必要である。