東大叡智会

天才マダックスに黙すべし

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2024.7.1

大リーグ史上最高の投手は誰かと聞かれたら筆者は躊躇無しで、元アトランタブレーブスの名投手Greg Maddux(グレッグ・マダックス)を挙げる。昔ならば時速150km、現在ならば時速160km=100マイルは一流投手の要件だろう。名投手の要件はまずはその速球の速さである。 人は名投手が投げたスピードボールに素直に感動する。それは一般の人には無縁の凄技だからである。しかしそれだけが名投手の要件かと聞かれたら、100%そうと言い切れない。変化球の切れ味=回転数、何より打つのに難しいコースに投げ分ける制球力は豪速球に負けない魅力である。Greg Madduxは速球は140km程度であった。だが大リーグ史上に燦然と輝く350勝超えという、戦後の投手として最高の勝ち星を挙げている。体格も大リーグ投手としては決して大柄とは言えない180cmほどである。素晴らしい投手を表す指標にマダックスという指標がある。

マダックスMaddux)とは、野球の試合における非公式記録のひとつで、先発投手が100投球未満で9イニング以上を投げきり、相手チームを完封することを指す。そのマダックスは、1988年以降ではメジャー最多となる13回のマダックスを達成している。これは勿論空前絶後の大記録である。完全試合でも投手は27人の打者に投げるのだから、一人当たり3-4球でアウトにしている計算になる。ファールで粘られたり、四球を出せば10球前後は投げるのだから、マダックスを達成した投手は制球がずば抜けて素晴らしいということになる。球数が少なければ、後ろを守る守備陣は本当に楽だ。また投手自身も球数が少なければ、怪我が少なくなるだろう。事実マダックスは極めて故障が少なく、調子の波も安定していた。剛球よりも巧球というべきか。マダックスを超える投手は果たして現れるだろうか?

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