東大叡智会

沖縄県独自の高校選び

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2024.8.2

最近ネットニュースで沖縄県の「頭がいいと思う高校ベスト5」とか「人気のある高校ベスト5」とかの教育に全く関わっていない方達が発信した無責任な記事をよく見かける、そこで同じ頃の年齢を持つ親として、また長年受験生と関わってきた身として沖縄独自の高校選びを考えてみたい。他の県と違う点は主に以下の点である。

①沖縄は交通事情が悪い。交通機関は充実とまではいかないが、それなりにあることはある。問題は全国最悪の交通渋滞である。筆者の住む沖縄本島中部地方からわずか20-25kmの那覇市まで、平日車で60分では到着しない。早朝早い時間や、夜遅くなら可能だが、その時間帯に通学する生徒はいない。金曜日や雨の日は片道2時間かかることもある。往復120分以上かけて通えば、部活動や学習時間の確保は難しい。無理をすれば必ず睡眠時間を削る事になり、本末転倒だ。睡眠不足は気力を失くす主因である。まず沖縄に於いては何より通学時間を考慮する必要がある。

②近くの高校にも必ず特進科があるのも沖縄の特徴だ。1時間以上かけて通う偏差値55の高校より、近くの特進科偏差値50のほうが良いだろう。時間は取り返せない。特進科はその学校の顔であり、盛衰をかけて真剣な指導が為されている。それを高校選びの検討条件に加えて欲しい。

③沖縄の殆どの高校は全国基準で言えば「新設校」だ。県内の私立「昭和薬科」「沖縄尚学」「興南」はいずれも1980年前後に創立された新設校であり、また「開邦」「球陽」「那覇国際」「向陽」の公立進学校も新設校である。新設校は社会に出たときに有力な社会基盤を持っていない、10年以上の幅で考えれば、没落の危険性がないとは言えないだろう。入学した時は難関だが卒業後にその高校のレベルが急落することはよくあることだ。首都圏で言えば「巣鴨高校」「桐朋」「桐蔭」などのように全国トップクラスから普通の良い準進学校に没落することもあるのだ。この点沖縄で言えば、「首里高校」「那覇高校」は旧制中学のナンバースクールであり、素晴らしい伝統を持っている。同じレベルで通学時間が30分以内なら、多少の偏差値の上下を気にすべきではない。

④以前確か「興南」から東大に初めて?合格した生徒が沖縄には真の進学校がないと断言していた。筆者もこの言葉は基本的に正しいと思う。真の進学校は授業自体が充実していて塾いらずだ。私的には好ましくはないが。(笑い)しかし当塾に入学してくる生徒の多くが英語数学の主要教科の指導不足を訴える。特に英語で東大入試に適応出来る学校がないのかもしれない。

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