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大反響 興南高校野球部我喜屋監督の発言は正当だ

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2024.8.12

我喜屋優監督が日刊ゲンダイで話した内容が波紋を呼んでいる。今年の甲子園大会沖縄県予選はかなり様子が違っていた。準決勝に進んだ4校の内、カタカナっぽい名の学校が3校を占めたことだ。すなわち、エナジックスポーツ、ウエルネス沖縄、KBC未来である。これらの興南以外の学校は全てここ数年の新設校である。これらはいずれも形態上通信制(一部は広域通信制)を名乗っている。高体連は通信制の学校は通信制だけの大会に参加すると規定している。私はさほど熱心な高校野球ファンではないが、試合はあくまでも平等な素地の上でなされなければならないと思う.普通の人間だ。思い切った発言をされた監督に敬意を払いたい。他のスポーツでも時々学校に行ってパソコン上の画面を書き写して授業が終わり、そのまま練習という学校があるという。果たしてこれで対等な高校生の大会と言って良いのだろうか?以下は同監督の発言だ。

Q     近年の沖縄は聞きなれない名前の学校が力をつけています。

A    「まず、それら学校の母体が何かを調べないと。本来、学校は生徒をある程度確保し、校納金を収めてもらい、そして政府の補助で成り立っている。しかし、近年は『それは学校なんでしょうか?』という出場校が増えているのも事実です。例えば、興南が同じように『今度はスポーツだけの学校にしよう』となったら、財源はどうするのか。生徒が野球部員だらけだったら、本来、一般生徒にも関わりのある校納金から吸い上げるしかなくなる。それは違うでしょう、と僕は思っています」

 Q     野球専門学校のようなものですか。

A         「詳しいことは僕もわかりませんが、(財源を)母体となる企業の利益から回してもらっているとすれば……それは学校の税務的にどうなる           のでしょうか。企業が社員に利益を還元するのは当然です。でも、生徒は社員ではない」

Q       学校法人は税制上の優遇措置があります。なぜ、沖縄でそうした学校が増えているのでしょう。

A    「何と言えばいいのか……沖縄には『いいよ、勉強なんてしなくても』という風潮があるのかどうか……。近年は沖縄に進出している経営母体もあるだけに、ある意味、彼らの草刈り場になっているのかもしれません」

Q  でも、それは本来の学校ではありません。

A  「スポーツを通して社会に通用する人間を育てるのならばいいのですが、スポーツだけやっていればいい、というのはおかしいですよ。公  立校は授業時間は部活が出来ないし、興南だって部活は午後4時からです。野球専門学校のような出場校が増えると、いよいよ公立校が勝てなくなる。高校野球は平等性がなくてはいけないんです。

 

Q   学校が野球だけをやらせるのはおかしいと。

A  「スポーツを通じた教育をするからこそ、6時間目まで(英語、数学などの)授業をする。勉強して知識を広げ、将来の仕事の選択肢を広げるためです。でも、朝から野球しかしていない高校生の将来は、誰が保証するのでしょうか。野球しか知らないと挨拶もできないし、コミニュケーション能力もない。当然、大学の授業にもついて行けません。高野連はこうした学校を野放しにしてもいいのか? 後の祭りになってからでは遅い、と言いたいですね」

口調は全般に穏やかだが、内容は強く高校スポーツ界に波紋を呼ぶであろう。事は野球だけではない他のスポーツでもこれに似た通信制の学校があるのは事実だ。

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