2024.10.3
プロ野球西武ライオンズは球団経営の存続の窮地に立たされている。主砲山川のソフトバンクホークス移籍に伴い、球団はこのままでは観客数の減少で経営そのものが窮地に陥ってしまうだろう。。セパ交流戦でアウェイの阪神ファンの数がラインズファンをその本拠地西武球場で上回る勢いなのはよく知られた笑えない風景である。阪神ファンの熱狂は今更言うまでもないだろうが。今やライオンズは勝てない、観客が減るの悪循環である。そもそも主力選手の年俸がかなり安い。西武時代山川がホームランを取って年俸が上がらなかった話は今や伝説である。プロは年俸で生活している。1年間良い結果を出せば年俸を上げるのは球団の義務である。
昔ライオンズは福岡市の球団だった。九州の球団だったというべきかもしれない。1956年から58年まで3年連続日本シリーズで読売ジャイアンツを破り日本一に輝いた。西鉄ライオンズ栄光の時代である。50年代60年代のパ・リーグの首位争いの最大のライバルは南海ホークスであった。その後球団の成績は低迷し、結局球団は福岡を離れ埼玉西武ライオンズとなった。皮肉なことに最大のライバル南海ホークスが大阪から福岡に移り、今のソフトバンクホークスとなったのは何と言う歴史の偶然だろうか。福岡のライオンズファンの中には、移転後もライオンズを応援し続ける一定数の人がいるのは有名な話だ。
低迷するライオンズの基本的な間違いは移転先を所沢にしたことだろう。恐らくは親会社の西武鉄道の収益を考えてのことだろうが。千葉は千葉ロッテマリーンズ、神奈川は横浜である。いずれも最大都市や人口が多い其の県、地元の中心都市にある。それに反してライオンズの本拠地は所沢である。地方在住のライオンズファンの何割が所沢の名前を知っているだろうか?また沿線人口は東京都民と埼玉都民と言われる、埼玉県への帰属意識が弱い人達だ。筆者には都民が埼玉を名乗る球団を応援するとは到底思えない。球団はその地方の名誉であり、誇りだ。福岡は球団を無くした悲しい歴史を持っている。その悲劇を繰り返して欲しくない。今のままでは折角の埼玉県民700万の地元球団とは言い難い面がある。埼玉県の中心都市は圧倒的にさいたま市、其の中でも大宮浦和地区である。経済的には旧大宮市だろう。ここに球団を移し真の埼玉県民の球団と成れば低迷するライオンズも浮上できる可能性があるに違いない。ライオンズの英断を待ちたい。
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