東大叡智会

山芋スーブ

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2024.12.6

ここ沖縄では冬(本格的ではない比較的弱い、温かい冬だが、沖縄は冬に風が強いので、それなりに寒くは感じる)の風物詩は山芋スーブである。この季節、沖縄の各町内には「山芋スーブ」の立て看板が置かれる。これを見ると、いよいよ冬の始まりだなという感慨がある。とはいっても、沖縄なのでショートパンツにTシャツで看板を見ることもある。移住当初は、スーブ=スープの訛か、濁点の打ち間違いだろうと考えていた。どの看板でもスーブという表記だったので、濁点の打ち間違いであるという考えはすぐに間違いだと思い直した。スーブはスープの訛で、東北の芋煮会の様に住民参加の楽しい集まりが戸外であるのだろうと考えたりもした。ある時、ふと確認してみようと知り合いの年配の純粋の「うちなんちゅう」(沖縄生まれ、沖縄育ち)の方に聞いてみた。答えは実にあっさりとしたもので、「方言ですね」であった。スーブ=勝負である。スーブ=勝負という発想は筆者には全く無かった。各町内で山芋の出来というより、如何に良い山芋を掘ったかを競い、販売する楽しい催しものである。販売に付随したイベントもある。各町内の個人レベルの勝負から市町村全体の戦いまで、予選から本戦までの段階がある。規模の大きさも全く異なるのだ。山芋スーブは実に楽しい沖縄の冬の風物詩だ。

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