東大叡智会

現役大学合格率は中学選び高校選びの基準になり得ない

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2024.12.9

中学受験或いは高校受験時に保護者の方は当然の事として、大学受験実績を見るものだ。その際地方の県のトップ校、九州地方であれば福岡ー修猷館 佐賀ー佐賀西 大分ー大分上野丘 熊本ー熊本高校 鹿児島^鶴丸高校などだが、これらの高校の現役進学校、或いは私立高校でいえば、所謂九州御三家 ラサール、久留米付設、長崎青雲(事実上上位二校と青雲の差は大きいが)などのトップ校高校は現役合格率を見る必要は、あまりないと筆者は以前から考えている。理由は以下の2つである。

①現役合格率が高いのは、単にその地方の人達のより難易度の高い大学を目指す気質があるのか、或いは現状で我慢する気質なのかが大きく影響するからだ。例えば東大や旧帝医学部に現役で合格は中々に大変だが、スポーツが盛んなラサールや土佐高校、福岡修猷館高校には文武両道型の男子生徒がかなり存在する。それに反して久留米付設には文武両道型の生徒は少ない。多くの全国トップの私立高校は文武両道型ではない。高校3年間真剣に地域大会、全国大会に向けて真剣に取り組んだ生徒には、現役で最難関大学の最難関学部に合格するのは至難の技であろう。お隣中国では大学入試は人生一度切りである。翌年再出願は出来るが、入試は一度きりだ。これに比べたら日本の何度も挑戦できる制度のなんという平等な制度であることだろう。決して浪人を勧めるものではないが、スポーツに賭ける青春も同様に素晴らしい。

②現在の入試制度からすれば、各トップ高校間の大学入試に対する指導力、問題予想作成能力、個人に合った参考書問題集をアドバイスする能力、それを指導する能力は高校教師間では比較的差異が小さいと思う。これはやはり予備校教師の独壇場ではある。とりわけ公立高校は転勤があり、教師が固定されてはいないのだから。指導力の差は特に小さい。

この2つの理由で、なになに高校は現役合格率が高いよという議論はあまり意味があるとは思えないのだ。

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