2025.4.10
筆者の受験指導は約半世紀にならんとします。途中翻訳通訳業や、海外の日本語教師をしていた時期もありますが、その期間も何らかの形で受験指導に関わっていたので、相当長い時間だなというのが実感があります。まさに「少年老い易く学成り難し」です。その中で小さいお子さんから浪人生、中には家業が病院なので10年位浪人を余儀なくされやっと医師になった生徒もいました。昔は今日に比べて。極端に偏差値が低い私立医学部もありましたので、受験直前なのに、英語力が中3レベル英検3級レベルなどという子達も教えました。その中で成績の伸びに関して一般的に言いうることを少し大胆に列挙してみたいと思います。
① 理系科目の才能は遺伝し易い。両親の片方もしくは両方が大学等で理系学部、とりわけ工学部や理学部つまり、数学物理化学を必要とする分野の出身者の場合、子供が数学理科が得意なことが多い。筆者のイメージでは70-80%位はあたっているような気がする。
②人文系教科は遺伝しない。語学で言えば両親の片方もしくは両方が語学が得意でも、子どもが英語が得意かといえばそうでない場合も多い。
ただし国語力は両親が読書好きなら遺伝し易い。小さいときから身近に本があり、親が読み聞かせをしてくれる環境は素晴らしい効果がある。
③身長の伸び、体格の成長と学力の成長は同時期に起き易い。小学校高学年で、学力が伸びる子、中1で伸びる子。中3で伸びる子と様々である。
親はその時期を見逃すべきでない。
④ しかし伸びるべき子は中3では必ず伸びる。これは本当に大事なことだ。沖縄の子はとりわけこのタイプが多い。中3の初めにクラスで中位前後だった子が、一気にクラス最上位にになることがしばしば起きる。要はそれまで真剣に勉強したことがなかっただけである。能力をドブに捨てていたのだ。身長の伸びと同じく、大器晩成は大きく伸びるのだ。このタイプは高校でも更に伸びる可能性が高い。この時期に塾に連れて来て頂けたら、教える側は本当に嬉しい限りである。
⑤ 勉強を長期間継続的に沢山しなければならない人ほど朝型生活である。夜型は長続きしない。
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