2025.4.10
筆者の故郷福岡は韓国とゆかりが深い。その昔、幼児の頃、距離的に近く電波が強いせいか、ラジオの音はしばしば国内の放送より音が大きかった。そこから聞こえてくる韓国語を通して彼の国に私が何か関心があるわけでは、全く無かった。韓国は未知のまさに「近くて遠い国」であった。後年友人となった同じ年の韓国人が、幼児の頃船で対馬に山菜取りに行った話をしてくれ,「それ今なら、国境の不法侵入で捕まりますよ」と言ってお互い大笑いになったのを思い出す。戦前対馬の住民は釜山に買い物に行っていたそうである。其れ位お互いに近いのだ。年月を経て、1970年代には韓国は経済成長したが,日本のマスコミは全般に北朝鮮に好意的であり、韓国は朴正煕(パク・チョンヒ)の軍事独裁政権であり恐ろしい国、連日のように、テレビでは軍隊が自由を求める学生を殴る画面を放送してい。確かに独裁ではあったが、朴正煕大統領の私益を求めない清廉潔白な姿勢が報じられる事は決してなかった。反面、成長する北朝鮮を伝える報道は多かった。筆者の若者時代には南北二カ国の報道のされ方はまさに今と真逆であった。当然の如く筆者自身も北は国民が皆平等な民主的な社会主義国、南は発展はしているが、恐ろしい軍事独裁国と信じ込まされていた。いや愚かにも信じ込んでいたというべきだろう。同時代の人たちは多かれ少なかれ同じであろう。年月を経て今や北は地球上でワースト3に入る、王朝的、軍事独裁国であり社会主義は名ばかりである。いまや個人所得が日本を追い抜いてしまった韓国と比べるべくもない。
尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は前任の文大統領の時代に最悪を極めた、日韓関係を修復し、長年の懸案を次々に解決した。日本側もこれに応えて国内の説得に努めた功績があった。政治とは妥協の産物であり、お互い言いたい放題では収集がつかなくなる。
尹大統領の任期中に議会選挙で大敗したのは、筆者には不思議であった。何故なら韓国国民も概ね関係改善に好意的であったからだ。同時期に韓米関係も改善していたのだ。中国中心の経済政策は改められて経済の復興に目星がついた時に与党の議会選挙のあまりの大敗に驚いたのだ。しかし其の時には、まさか他国の干渉により選挙が不正に行われ、また選挙管理委員会が野党民主党よりの人物により親族会社の如き様相を呈しているとは思いもよらなかった。我が不明を恥じるばかりである。
昨年2024年12月3日午後10時23分、大統領は緊急談話を発表し、戒厳令を施行した。当初筆者はこのやり方は民主主義に反すると、勿論考えた。いや今でも決して良いことではない。しかし反論を覚悟で敢えて言わせてもらえば、中身は殆ど戒厳令の名前に値しないレベルのものだった。軍人は確かに議会に侵入したが、武器を携行せず、人数もとても議員を拘束できるレベルではなかった。多くの人数を派遣したのは選挙管理委員会であった。まさにここが目的だったのだ。
それに先立ち韓国の政治は尹大統領の就任以来まさに完全に止まっている状態であった。野党民主党による政府の要職につく人たちは次々に弾劾され、各省庁は長官不在のまま、行政は完全に止まっていた。北朝鮮のスパイを取り締まる法律は破棄され、機関も廃止。予算も否定された。大統領の直接使えるお金さえ否定されたのだ。まさに名前だけの大統領であり、司法でさえ、極左系の法律家に占領され、民主党の李在明代表の多くの刑法裁判、とりわけ北朝鮮への不法送金の件さえ裁判が進まない状態であった。親北朝鮮の極左系の裁判官の多くは文大統領時代に任命された人達だ。文政権は命がけで脱北してきた北朝鮮人民を強制送還。この人たちは恐らく処刑されたであろう。
戒厳令以前には分からなかったことがようやく理解できる様になった。以下書いてみたい。
①福島原発の汚染水の問題が韓国で厳しく、事実と違うことが広まってしまった。これは最近になって北朝鮮から韓国と日本の関係を悪くするために、盧武鉉,文在寅二代の政権時代に韓国に数万人いると思われる北朝鮮のスパイが政権内部に深く浸透していたことが原因である。
②従軍慰安婦問題は、野党民主党議員の親北朝鮮議員である尹美香元議員(支援団体理事長)は集められた支援金を横領して有罪になった。
③司法が正当に機能していない。裁判官のかなりな数が親北朝鮮の極左系で占められている。最高裁判事が民主党と姻戚関係、友人である。
④選挙で使われた集計用コンピューターが故障の名目でいつの間にか処分されていた。数十台も同時に!!
⑤ 民主党代表の李在明は刑事裁判で有罪になれば、次期大統領選挙に出馬できない。何としてもその裁判の結果が出る前に当選して裁判を止めなければならない。既に多くの裁判で出廷拒否をしている。
戒厳令で地に落ちた尹政権は既に弾劾されたが、これは逆に光明と成るかも知れない。2カ月足らずで大統領選挙となるが、次々と明らかになる野党民主党の腐敗、北朝鮮との危うい関係は今後ますます明らかになるだろう。韓国マスコミは全部ではないが、既に極左系の人々がかなりな数を占めているので、真実を伝えたYOU TUBER達は,弾劾にひどく失望したであろう。しかしこれは終わりの始まりである。明けない夜はないのだ。日韓関係に尽力された尹氏の退陣は確かに一歩後退であろうが、数々の疑惑を抱えた、韓国のトランプと呼ばれる李在明氏がたとえ新大統領になったとしても、その政権は長くは保たないだろ。そのときこそ真の民主主義者、自由主義者の若者の出番である。日韓関係の改善を願う韓国の若者、ここが頑張り時である。
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