2025.4.29
米国ドナルドトランプ大統領はその言動がニュースが話題にならない日は無いくらい連日マスコミに登場している類まれな大統領である。かつて米国には1950 年代、マッカーシー議員の「赤狩り旋風」が吹き荒れた。少しでも米国の「貧困問題」「人種問題」「差別問題」等に関心や理解をを示したり、同情した人達、或いは進歩的傾向のある議員や社会的リーダーには 「極左翼的」という話をでっち上げられ、多くの人が傷つけられ社会的に抹殺された。、まさに恐怖の時代であった。同時に米国の国際的信用は地に落ち、真の国益を沢山喪失したものだ。
最近、トランプ大統領はあのフルブライト奨学金を停止した。フルブライト奨学金は米国の上院議員であった故ウイリアム、フルブライト上院議員が国際理解と第二次世界大戦以降の不戦の為に、1946年に設立した制度であり、米国と西側諸国が出資している。日本での著名な奨学金プログラムの受賞者は以下の通りである。
①自然科学分野 小柴昌俊(ノーベル物理学賞受賞)下村脩(ノーベル化学賞) 利根川進(ノーベル医学生理学賞)根岸英一(ノーベル化学賞)
②その他 河合隼雄(京大名誉教授)明石康(元国連事務次長)猪口邦子(元国務大臣)上川陽子(元国務大臣)
③政治家 三人の首相経験者 海部俊樹 細川護熙 小池百合子(東京都知事)
その他社会的に著名な方は数にきりがない。しかもフルブライト奨学金はは日本向けだけではない。ヨーロッパにも広く門戸を開いている。この奨学金が共通する分野の学者であれば一定の繋がりを持っていることの世界平和への貢献、科学諸分野の交流に大聞く貢献したことは間違いない。今回の奨学金停止はこの世界の交流に大きく水を差すものであり、将来的にも米国に対する諸外国の信頼を徐々に失わせる一つの原因となるのは間違いないであろう。トランプ政権の所謂「米国の利益最優先」は決して将来米国の為に寄与せず、かえって米国に深刻な打撃を与える事となる可能性は大きい。入学した将来軍人となる学校の規則が守れず放校処分(女子禁制の男子寮に女子を入れて騒ぎを起こして退学)となった経歴を持つトランプ氏に冷静に学問の価値を説くのは至難の技であろう。
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