東大叡智会

図説 世界を変えた書物 

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2025.5.16

竺覚暁(ちくかくぎょう)教授の労作である。数学や自然科学の歴史に興味のある人には宝物の様な本である。本は買うもの、所蔵するものという考えの筆者も高価な本は図書館を利用するが、他に借り手がなければ繰り返し借りることも可能だ。(待ってる方がいない場合だが)

この本の中には高校までの数学理科でおなじみの人物の著作の初版本が写真とともに紹介されている。人類の英知の歴史を本の中から読み取る事ができる素晴らしいものだ。どんな内容なのか数例上げてみよう。

① Orgson  Opera  Ommia Graece  アリストテレス著 初版 1495年、ヴェネチア 世界の成り立ちについてアリストテレスが述べた集大成であ  る。元素や天動説(読んだ人は信じてしまう事請け合いである)が述べられている。人類の英知の出発点だ。

② 幾何学原論  Euclid  ユークリッド著  全ての幾何学の始まりにして完成形 皆さんが学校で習ういわゆる幾何学  数学嫌いには悪魔 の如き人物である。

③ 哲学及び幾何学の卓越せる全集  Archides アルキメデス著 あの「アルキメデスの原理」のアルキメデスである。円、重心などが出ている。

④天球の回転について   Nicolaus  Copernicus     コペルニクス著 神の支配からの脱出 人の手による「世界」の始まりを告げた偉大な書である。地動説ついに成る。真の人類ここに始まる。

⑤新天文学 Johannes  kepler    ケプラー著  惑星の軌道と運動ついに書となる。地球を相対化する考えが発生する。

一つ一つ説明すればきりがないので、少しだけ紹介してみた。この本を読んでみると人類が文明を進歩させるのには多くの犠牲が伴っているのがよく理解できる。犠牲は人であり、またそれまでの常識を覆させる思想とも言うことが出来よう。昔ギリシャ語学習を三日坊主ならぬ二週間坊主で終わらせた筆者にはラテン語やギリシャ語の輝きはもことに眩しい。別の機会に詳しく述べてみたい。

 

 

 

 

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