東大叡智会

平家海軍国際派

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2023.1.12

この言葉は随分前に聞いたことがあったのだが、最近you tubeの山田五郎教養講座で再び耳にした。平家、海軍は共に見た目にはカッコよく、洗練されていたが、結局京都で貴族化した平氏は関東在郷武士集団の源氏に敗れ、国際派が多い海軍は陸軍の力にやられてしまった。国際派も同じこと。結局は国内基準の民族派には勝てないという話だ。日本の国際派自身の問題として、いわば欧米という虎の威を借る狐に近い姿勢をとってきたことが、そのウサン臭さ、嘘っぽさの背後にはあるのではないだろうか?ニュースでよく見る「欧米では何々の基準で色々な事が判断され社会が成り立っている」と言われているが、我が国ではまだ其のレベルには達していないという単純な比較論に持ち込まれてしまうのだ。第二次世界大戦中は海軍の国際派は日米戦争に当初積極的ではなかったが、最終的には陸軍の国内派=強硬派に飲み込まれてしまった。伝統的には陸軍幹部にはドイツ留学組、海軍幹部には英国米国留学組が多かった。海軍国際派の山本五十六、永野修身、米内光政、井上成美は基本的に日米戦争に反対だったが、勃興した陸軍強硬派、当時は革新派!(勢いのあるナチスドイツを信奉した人たちがそう呼ばれた)と呼ばれていたが、彼らとの抗争に負けるのは常に国際派だった。しかし本当に素晴らしいのは良識ある民族派、足に地がついた民族派(土着派)であり、また国内の事情に精通した国際派である。彫刻家棟方志功は故郷青森に根ざした土着的な傾向の作風で知られたが、常に国際的な評価が高い人だった。米国に禅を広めた鈴木大拙は日本の禅文化を西洋に伝えて評価が高い。二人に共通するのは優れて日本的東洋的なものは同時に国際的でも有り得るということだろう。足に地がついた平家海軍国際派は真に国際的だ。

 

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