2023.6.17
ここ沖縄では医学部ブームは今現在起きていない。コロナ前に本土から進出してきた各都市に展開している大手医学部専門予備校は正式な開校を前に進出を断念してしまった。筆者も講師として呼ばれて、久しぶりに教える医学部受験生向けの授業準備をしている前に、閉校が決まってしまった。筆者のような文理複数教科(英語数学理科などの複数教科)が教えられる教師は便利屋みたいなもので声が掛かり易い。なぜ本格進出を断念したかといえば、医学部受験する生徒層の不足だろう。沖縄も開業医が多いのだから、生徒層はいそうだが,進学校の中核たる公立進学校の学力不振が原因だろう。医学部は全国的に、受験時に流動性が高い。北海道の生徒が琉球大学医学部を受験しても、宮崎大学医学部を受験しても何ら不思議ではない。相応な学力が合えば十分可能だ。二次試験の教科配点や、微妙な倍率の増減で医学部受験生は動く。もちろんトップクラスの旧帝医学部受験層は動かない。東北大医学部に合格可能な生徒が九大医学部を受ける例は少ない。動くのはその少し下の受験生だ。沖縄には本土の医学部に合格出来る層が極めて少ない。それに比較して琉球大学医学部なら合格出来そうな層は一定数存在する。それでも琉球大学医学部は今でも全国の草刈り場だ。東京から関西から福岡から微妙に国立大医学部に届かない層が受験する。そしてそれを迎え撃つ地元沖縄の医学部に合格出来そうな生徒の数は未だに足りていない。地元高校教師、生徒は勿論、筆者も奮起が求められる。
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