東大叡智会

ヒトラーもスターリンも毛沢東も民主主義の力を見誤った

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2022.3.2

アドルフ ヒトラー(1889-194)はオーストリアに生まれ精神的に不安定で個人的にも何をやっても上手く行かず友人達とも上手くやっていけない屈折した青春を送った。画家として生きていくことを望んでいたが本人の努力不足や不運も重なり実現しなかった。青春に屈折は付き物だろうが其の挫折は人間不信へと繋がるものだった。青春時代の挫折は苦い味だ。が常に人間不信に繋がるとは限らない。彼の憤り怒りはユダヤ人へと向かいユダヤ人というだけの理由で数百万の人が犠牲になった。

ヨシフ スターリン(1878-1953)はロシア帝国統治下のグルジア(現在のジョージア)に生まれ事業に失敗した父から母と共に家庭内暴力を受けた。其のため母と家を出て流浪の生活を送る。勉学は優秀であった。権力を自分に集中させるために数千万人を死に追いやった。

毛沢東(1893-1976)は中国湖南省(中国では比較的豊かであった。)に生まれ其の才覚で地主にまで上り詰めた父に厳格に育てられた。共産主義に傾倒したが心底信じたというより共産主義を利用して自分を活かしたいと考えたようだ。日本の敗戦後に国民党との権力闘争を経てその権力を確立した。初期の穏健路線では革命を共に支えた周恩来や劉少奇などの経済通の協力を得て農業工業ともに順調に発展した。権力を自分自身に集中させる為に1953年ころより急進的なソ連を真似た共産主義に舵を取り結果経済は大混乱となり忠告したり政策を変えるアドバイスをした仲間を投獄したり死に追いやった。此の経済的大混乱により全ての産業は瀕死の状態となり5000万人以上が餓死したと言われる。

独ソ戦が始まるまでは興味深い事にスターリンは尊敬とまでは行かないまでも権力闘争に勝ちドイツ国民を心服させているヒトラーに敬服していたようだ。毛もスターリンに有る種同類としての親しみを抱いていただろう。

此の3人に共通するのは人間不信からくる自分以外は誰も信じないという果てしないそして恐ろしい権力欲だ。人を信じない人間「人にはいい面と悪い面をが有る」という当たり前の考え。これを信じない人間は民主主義を信じないし其の価値を認めない。此の様な当然の真実を私達は常に歴史から学ばねばならない。

 

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