東大叡智会

愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ

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2024.11.18

この有名なフレーズはかの有名なドイツ鉄血宰相ビスマルクの言葉である。ビスマルクはその巧みな外交と内政のリーダーシップで欧州の片田舎の小国であったプロイセンを大ドイツ帝国に発展させた人物である。明治初期の指導者達は2年の期間を費やして海外視察を行い、近代日本のモデルとなる国を探したが(その外遊事態極めて稀である。出来たばかりの新政府をほっぽりだして行く位の緊急性が有った)大久保利通らはビスマルクから直接ドイツ帝国を作り上げた話を聞き、深い感銘を受けている。

原文 ドイツ語

Nur ein Idiot glaubt, aus den eigenen Erfahrungen zu lernen・Ich ziehe es vor, aus den Erfahrungen anderer zu lernen, um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden.

英語

Fools say they learn from experience; I prefer to learn from the experience of others. 賢者が私となっているのが興味深い。

これを私達の社会生活、仕事、受験に当てはめて考えてみよう。受験にはとりわけ有効である。自分だけの経験や失敗から私達は多くの事柄を学ぶことは勿論出来る。しかしその失敗は一過性の単なる偶然である可能性は完全には排除できないだろう。勿論失敗には必ずその原因は存在する。その分析を的確にした上で、更に客観化する必要がある。そこで他人の失敗や成功の話を謙虚に聞き,更に客観化する必要があるのだ。その段階が歴史に学ぶということである。私的経験と他の多くの現在、または過去からの多くの経験値から学ぶのだ。出来たらデータを作り、数値化し記録すべき価値があるものだ。その時その記録は私的な経験に近づき、もはや自分のものとなる価値あるものになるだろう。人は失敗からの方がより多くのことを学ぶことが出来るのだ。こんな上手い方法を使わない手はない。

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