東大叡智会

部活動の危機は同時にチャンスでもある

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2025.5.6

部活動の危機は色々なメディアを通して顕在化しているが主に2つの視点から論じられている。

①少子化による部活動自体を維持していく人数が確保出来ない問題。これは従来人気が高かった野球、サッカー、バスケットボール、ヴァーレボール等のチームスポーツではまさにチームそのものが維持できない切実な問題である。野球は9人いないと、他チームと練習試合も出来ない。上に上げた各スポーツも同様である。希望者が多すぎて野球部に入れるか深刻に悩んで諦めた方もいるだろう親の世代とは隔世の感だ。多くのチームで部員不足は深刻である。恐らく最も人気が高いスポーツであろう高校野球でさえ。部員数は2014年の170312人を頂点とし、2024年には127031人大きく減少している。少子化を上回るスピードで減少しているのだ。野球部のある学校数も2005年の4192校を頂点として、同じく2024年には3798校と大きく減少している。人気スポーツであり、部員数も多い野球でさえこの減少なのである。

②指導者の問題 主に中学で部活動を指導する先生方の負担が重いという件だ。現在の部活動は指導監督する顧問教師の時間的費用的な自己犠牲の上に成り立っている。毎日放課後週5-6日の練習に付き合い、万が一生徒に事故や怪我があれば顧問が責められ、週末は練習や対外試合の引率指導等で家族と過ごせない。部活顧問は大変に負担が大きい仕事である。愚息が参加している部活動もまさにこの有り様で、顧問の先生は週5-6回毎回3時間は指導に来られる。その間練習場所の確保、外部指導コーチとの連絡、大会の準備、大きな大会の引率等考えられないほどの激務である。出来る範囲は保護者が代わるようにしたとしても、これでほぼ無給」であるのはやはり、おかしい話である。一般の会社なら残業手当がついて然るべきであろう。では新しい方策は無いのか以下に述べたい。

①多くの地域で光明となりつつあるのは部活動の地域クラブ移行である。地域社会全体で部活動の継続を助ける仕組みである。その割合は少しずつ増えてはいるが、地域により指導者不足で困難な場合もある。

②熊本方式  地域に部活のための基金を求め、その団体が資金を集め、各部活の指導者に謝礼を払う形式である。正指導者は時給1600円ほど、副指導者は受給1000円ほどで設定されている。学校教師も指導者として登録できる。教師の自己犠牲を基にした部活動は時代に合わないのだ。しかし今だ教師の40数%は部活の顧問を希望することを忘れてはいけない。

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