東大叡智会

義務教育の学力不足は深刻 米国の二の舞いを避けるべし

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2025.12.7

:2024年度の調査(2025年発表)で、小学校(国語・算数)、中学校(国語・数学・英語)の全教科で平均スコアが低下していることが明らかになった。。特に小6算数と中3英語の低下が著しい.義務教育における学力低下は、近年の全国学力・学習状況調査で顕著になってはいたが、これほどの減少は文科省の想定外ではなかろうか。主な原因としては、①デジタル機器の使いすぎ(スマホ、ゲーム)、それに依る時間管理能力の低下等であろう。コロナ禍を被った世代が学校の中核となれば。学力低下、学力格差は避けられない。②低下や格差の主な原因は,基礎を学ぶ対面学習時間の不足、家庭学習時間の不足、コロナがきっかけの不登校の増加、教員の多忙(教育に投資しない政府の責任)家庭環境や地域格差もある。但し以下の点には注意すべきである。
しかし、この様な減少は過去に全くなかったわけではない。最大の原因は「国の教育方針の転換 思考力重視」の自称探究学習への移行そのものが基礎学力の低下を招いたのである。これはまさに1960年代位から進んだ米国の義務教育の崩壊とよく似ている。早い段階からの計算機の導入は計算の出来ない多くの米国人を作ってしまった。この異常事態は米国の教師には意外にも認識されてはいるのだ。1980-1980年代に、米国の教養課程の数学教師の友人に何回か、この話をしたことがあったが、シンガポール、日本、韓国、中国、台湾等々の高校までの数学に比べて米国の基礎数学教育をどう思うかと聞いた私に友人が答えた答えは“Terrible ”の一言であった。愚息がインタナショナルスクールで経験したのもまさに、それであった。教師は分厚いテキストの中から適当に好きな(得意な)項目を選んで授業をする。クラスにより、学校により、全く教えられていない、例えば基本的な二次関数の学習範囲が丸ごと抜けたりするのだ。やっても必ず原点を通る日本の中学3年生が習うそれである。結果、大学に皺寄せが行く。1-2年生の中学レベルからの数学を院生が教える羽目になる。院生の貴重な収入源ではあるが。日本はこの様な過ちを繰り返してはいけない。基礎学力、とりわけ、基礎計算力。基礎読解力は国が責任を持って教え込むことが大事であり、そのために国は経費を使うべきである。まずは教員の増員、教師の事務仕事を減らすための補助職員の増員。米国人のかなりな数の人達がニューヨークがどこにあるか、あるいは(-1)×(-1)が出来ない。しかしニューヨークの文化とLAの文化の違いを滔々と述べる事はできるかもしれなおい。即ち、今流行りの「個性を大事にした探究学習」である。そんな暇があれば計算や漢字の練習に時間を費やすべし。過去の世代で最も創造性豊かな日本人は詰め込み教育を受けた「団塊の世代」の方々である。恐らく最も画一的思考をするのは「ゆとり教育」を受けた世代である。これが筆者の妄想、偏見であれば幸いである。
 
 
 
 

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