東大叡智会

教養主義校とガチガチ勉強校の系譜

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2025.12.15

中学高校選びは、特に私立学校に進学する場合は本当に大事である。勿論、実際には受験する学校を選ぶ最大の要素は学力ではあるが、筆者の長い指導歴の中には、保護者の考えをそのまま聞いてしまって、本人の個性に合わない学校選びをして失敗をした例がある。失敗、即ち学校が、学力以外の面でその生徒に合っていないという事であり、しばしば中途退学、公立校への転校ということになる場合もある。また選択に失敗して相談に来られる保護者の方もおられる。進学校には大まかに言えば2つの系譜があると言えよう。以下。代表的な学校を挙げながら説明を試みたい。

(1)いわゆる教養主義の系譜を引く学校である。全体に歴史ある学校が多い。明治、大正期のリベラリズム(自由主義)の影響であろう。代表的な学校としては、筑波大駒場(いわゆる筑駒)教科書、問題集を使わず、そこはまさに教育の実験場である。私立武蔵中高は代表的な自由主義的文化主義の学校だ。最近、進学実績が少し落ちていると言われるが、その文化的な環境を好む親には熱心なファンがいることも確かだ。公立では、全国トップレベルの、浦和高校、北野高校、日比谷高校と旧制一中の伝統を引く各県の公立一番校(沖縄を除く)は学校は全体的に教養主義である。スポーツが盛んで、大学の先取り講座の様な授業がある。女子校にはガチガチ系は少ない。女子御三家である桜蔭、女子学院,雙葉は、桜蔭の礼法の授業の様に、生徒の「知的好奇心の育成」や「幅広い教養」を重視する傾向がある。受験に直結しない分野(芸術、哲学、社会問題など)についても深く学ぶ機会が多く設けられている。

(2)ガチガチ系の学校としては、、まず「ラサール監獄」として有名な鹿児島ラサールがある。九州は全体にガチガチ校が多い。首都圏、関西に対抗するためにはのんびり、勉強を楽しんでいれば追いつかないからである。西大和はそれ以上に詰め込み教育である。新設校が既存の先行する進学校に追いつくには、なりふりかまってはいられない、という事情があるのだ。新設校には財政的バックグラウンドがない。進学実績に学校の存続と繁栄がかかっている。スポーツで学校の名前を売り、その後にガチガチの進学コースを作り成功した学校。江戸川学園、智弁和歌山、沖縄尚学等は全てこのタイプであり、文武別道と割り切っている。ラサール、愛光は確かにガチガチの寮で勉強させるタイプだが、両校ともに、カソリックという背景があり、生徒の精神的な成長を支える一面はしっかりしている。両校とも意外にスポーツは盛んである。本稿を読んで頂いた方で、個別の学校の内容を知りたい方はメールでお問い合わせ頂ければ、筆者の知る範囲のことはお教えしたいと思う。

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