2022.4.26
ロシアのウクライナ侵略については毎日テレビや新聞等のメデイアで沢山の情報がもたらされている。我が家でも私が毎日日本語と英語の両方で得た情報を基に色々な話をするが意外にこの戦争の意味とりわけ将来的な意味についてはそれほど特に日本では語られていない。話がされていても断片的だったり多分に思い込みだったりすることも多い。なかなか説得力に満ちた話は少ないかもしれない。その中で4月17日付けの朝日新聞のJohns Hopkins 大学のEliot Cohen教授へのインタビューは私には非常に示唆的だった。教授はロシアの侵略を予言した人だ。最も私でさえ侵略を確信していたので家族には話をした位だから呑気だったのは日本のマスコミくらいだろう。教授はそのインタビューの中でいくつかの話をされているが要点は以下の通りだ。教授自身は穏健派保守の人だ。保守だが反トランプの常識人でもある。
1 戦争は単にウクライナ対ロシアにとどまらず民主主義陣営対独裁の戦いである。民主主義の未来がかかっている。
2民主主義陣営が勝てば同時に中国北朝鮮ベラルーシシリアなどの独裁国に大きな警告となる。
3戦争に負ければ恐らく勝っても戦後ロシアは存在が小さな国になる。(広大なロシアのGDPは韓国より小さく日本の3分の1強程度。)経済規模に応じた国になるという意味だろう。もはや米国に対抗したソ連時代の残像は消えるだろう。
4米国がアフガンやイラクで失った世界の信用をある程度回復する。トランプ大統領が失わせた米国の民主主義に対する欧州の信用を回復する。
5ドイツの軍備が経済に応じた大きなものになる。EUでのドイツの存在が大きくなる。
私自身は国連United Nations は元々連合国の意味つまり国連は第二次世界大戦で全体主義陣営に属したドイツ日本イタリアを敵国として規定している、現国連の敵国条例が将来的に廃止される道を今度のロシアが開いてしまったのではないかと思っている。戦後の平和国家としてのドイツや日本の努力が実る時が来る期待である。ロシアが常任理事国から排除され、その先には国力に応じた日独両国の常任理事国入りという未来が開けるかもしれない。
© 2021 東大叡智会.