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明治天皇昭和天皇のエピソード

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2022.5.22

最近読んだ記事で面白かったのは明治天皇と昭和天皇の皇室の違いを書いたものだ。明治天皇は大変お酒を好まれ(特にワイン)臣下と共にしばしば深酒されたらしい。かなりな頻度でお酒をたくさん飲まれたらしい。相手をする明治維新の元老たちも元は下級武士が多いので質より量だったかもしれない。例えば第二代首相の黒田清隆は酒乱の気があり天皇や他の元老たちと飲んでいるのにも関わらず悪酔いして「ここに賊がいます」としつこく申し上げたらしい。賊とは恐らく明治維新で薩長や朝廷に反旗を翻した幕臣出身で函館戦争の生き残り榎本武揚だろう。榎本の助命運動をしたのは黒田だからこれは一種のユーモアだろう。明治天皇と臣下主に明治維新の功臣達には一緒の家族のような関係が見て取れるそうだ。それに対して昭和天皇は全くお酒を嗜まずどうしても乾杯しなければならない時は湯冷ましを飲まれたらしい。私は昭和天皇が侍従に言われた「雑草という草はない。一つ一つ名前があるのだよ。」というお言葉は天皇自身のお言葉だと思っていたが実は昭和天皇が牧野富太郎先生の言葉を引用したものらしい。この話はとても有名なのでご存じの方も多いかと思う。しかし最近知った別の話には何か感動するものが有る。学問を志す人に必要な何かだ。昭和天皇が昭和63年9月にに体調を崩され病院に入院された折、病室に何匹かの蚊が入ってきた時の話だ。天皇は其の翌年に亡くなられたのでこの病は極めて深刻なものだったが鼻に酸素吸入用のチューブを入れた状態で病室にたまたま入ってきた蚊に興味を示された。天皇のご専門は確かヒドロ虫類だったから少し専門外ではあったが根っからの生物学者だったのだろう、病室で看護婦や従者に蚊を捕まえてもらいそれの分類に最後の情熱を燃やされた。皇居の研究所の専門家に二度も鑑定を依頼している。根っからの本物の学問好きなのだ。死期が近づいているのは予感されていたと思う。其の中でも真実事実を知りたいと願う知的好奇心を持つ人に素直に感動する。この好奇心こそ何かを学ぶ学問をする原点なのだ。「降り積もる深雪に耐えて色変えぬ松ぞ雄々しき人もかくあれ。」(終戦後の昭和天皇の歌)

 

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