東大叡智会

日米エリート高校の違い

Top > 塾長だより一覧 > 日米エリート高校の違い

2022.10.18

米国のエリート層では幼児のうちから「プレスクール」に通わせるのが一般的だ。5歳からは義務教育課程の「キンダーガートン(幼稚園)」に入学する。日本の小1から小5に相当する5年間が「エレメンタリースクール(小学校)」。同じく小6から中2に相当する3年間が「ミドルスクール(中学校)」。中3から高3に相当する4年間が「ハイスクール(高校)」。5-3-4制度が多い。州や地域による違いもあるが。

この「5・3・4」制は、アメリカでも特に都市部で発展した制度だ。教育熱心な家庭はこの制度の学校を選ぶ傾向がある。日本のインターナショナルスクールにもこの制度を採用している学校がある。総じて授業料は高額だ。スイスや英国にあるお金持ちの子息専用の所謂boarding school は年間経費800万円位が普通だ。世界中から勿論日本からも留学している。大学進学先は必ずしも米国英国等の難関大学とは限らないが米国のlegacy制度(親が其の大学の卒業生なら優先的に入学しやすくする)を利用して難関大学に入学する一定層は存在する。此のようなエリート校では日本の進学校と同じレベルの微積分物理化学も教えている。しかし其の割合は此の様なエリート層以外では圧倒的に少ない。約15%程だろう。つまり日本のごく普通の進学校で行われている進学課程は米国では純然たるエリート教育だということだ。圧倒的に違うのは日本のエリート養成高校はたとえそれが年間100名以上の東大合格者を生む学校だったとしても極めて同じくらいの学費で済むということだ。筆者が読んだ「下剋上入試」の中で中学卒で高校教育を受けていない父親がエリート高校の受験について「本当に勉強さえできれば誰でも入れるのか?」繰り返し聞く場面がある。これはあまり米国なら当然のそして世界なら意外に普通の質問なのかもしれない。日本の高校教育を教育政策の失敗作のように考える人は多い。果たしてこれは真実だろうか?難易度の高い大学に大半の生徒が入学出来る学費が易い高校。これは果たして教育の失敗だろうか?原点に帰って一度虚心に考えてみたいものだ。

お問い合わせ
- Contact -

〒904-0324 沖縄県中頭郡郡読谷村長浜
PageTopへ