2022.9.28
大阪府教委がこのほど、今春の府立高入試を総括した。今年は英語のスコアが保障される英検2級などを、かなりの受験生が取得して、試験に臨んだことだ。その数、トップ10校では50%超。英検2級はもはや、上位校の合格パスポートになってきた感がある。 文理学科は2人に1人 府立高入試では2017年度から、英検やTOEFL iBT、IELTSといった外部検定の成績を入試得点に反映できるようになった。なかでもその中心は英検で、2級を持っていれば80%、準1級で100%の得点を保障してもらえる。点数に置き換えると、英語入試は90点満点だから2級は72点、準1級は90点に換算される。当日試験の出来映えによって、高い方のスコアが採用してもらえるわけだ。 17年の導入時に外部検定を活用したのはわずか344人。ところが6年経った今春は3491人と10倍以上だ。うち大多数の2627人はトップ10校の受験生で、10校に限れば昨年の37%から55%に急増。2人に1人が得点保障のある受験生だった。
10校の中でも上位校になればなるほどその傾向は強く、府立高の双璧を成す北部の北野で受験者の94%、南部の天王寺で80%が英検2級以上を保有していた。続く茨木も79%。三国丘、豊中、大手前も50%を超えた。確実にトップレベルの中学生では英語の力が高くなりつつあるがこの現象はまだ首都圏関西圏に限定されている。北野高校は浦和高校日比谷高校と並び全国最高峰の県立高校として有名だ。
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