東大叡智会

国語教育の改悪に反対

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2022.2.24

今春2022年4月から高校国語科は「現代の国語」と「言語文化」に分かれる。前者では求人票や各種契約書や機械などの取り扱い説明書所謂「取説」を読んだりすることになりそうだ。今まで明治以来親しんできた広い分野例えば評論や散文での優れた文章を鑑賞理解すのではなくすぐに役立つ身近な文章を読むことになる。私はこの話を聞いて絶句してしまいこの決断は正気の沙汰ではないと考えた。明治期以来始まって大正期にほぼ完成した散文の優れた文章を教科書で扱わなくなるか、扱いが縮小するのだ。一つの民族がその文化の最も基層を為す現代の言語を自ら学ぶことを放棄するのだ。これからの日本語教育は一体どうなるのだろう。漱石も鴎外も谷崎も太宰も本当に教科書から姿を消すのだろうか?そんな歴史的に重要な判断を大した議論もせずに決めて良いのだろうか?一部の文科省の官僚に任せてよいのだろうか?第二の「ゆとり教育」になりはしないだろうか?日本人にとって日本語は深い思考の源だ。優れた散文を読める子は契約書は簡単に読めるだろうが其の逆はあるのだろうか?日本人の思考力を奪う最初のきっかけにならなければ良いなと痛切に思う。

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