2022.11.22
日本では大学理系には男子学生がが多く女子学生が少ない。下の表は女子学生男子学生がどの学部に所属しているかを示した表だ。女子学生の学部別公正は大きく変化はしていないが人文科学(文学部等)の割合は少なくなっている。女子学生の志望先が変化していることを示している。僅かだが理学工学の分野も増えている。男子は社会科学(法学部経済学部等)の学生が減っている。男女とも志望が多様化しているのは間違いない。女子は理系でも農学薬学看護学部等の生命科学の所属が多い。この傾向はずいぶん前からだ。では世界で見た場合女子男子の大学進学先に日本との大きな違いはあるのだろうか?米国と日本の大きな違いは一般教養に在籍する学生の割合の違いだ。ここで言う一般教養は恐らく教養学部米国で言うところのLeberal Arts である。米国では教養学部しか持たない比較的小規模の良質な大学が多い。高校の補習くらいのレベルから始めて大学院進学を念頭に置いて学ぶ大学である。日本では教養学部は極めて少ない。この中には理系と文系が混在しているので一概に理系文系に分けづらい。実数を半分としてみれば米国でも理系学生の割合は日本よりは高くなる。ヨーロッパ諸国は日本より女子の理系の割合が多い。これは勿論女性が社会的に働きやすい環境の違いだろう。最も大きな違いは医学部生の男女比だ。アメリカでは医学生の男女比が初めて逆転した。米国医科大学協会が発表したデータによれば、2019年に全米の医学部に在籍する学生のうち、女性は50.5%、男性は49.4%だった。男女比では年々女子が増えている。医師の数でみると、いまだ男性のほうが多く、男女比は64%対36%となっている。だが、その数字も今後は変わっていくだろう。
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