2022.12.2
現代国語(以下国語)の教材選びはなかなかに難しい。英語なら定番の二次試験長文読解用、文法語法用、単語集熟語集と好み使いやすさ内容の量深さ学力等に応じてそれなりに存在する。数学なら例えばだが「4step」→「一対一対応」または「青チャート」→志望校過去問というような定番コースが有る。好みにより「良問のプラチカ」(河合塾)という手もありだろう。あとは好みと相性だ。だが現代国語はこの定番がないのだ。殆どの参考書は適当な例題や練習問題を作問して曰く「問題文を何遍も読んでしっかり理解しよう」「重要な箇所やキーワードに印を入れようという」程度のアドバイスに終始している。こんなことは言われなくとも生徒自らがやる事だ。そもそも現代文の奥深く広がりがある出題範囲は極めて限定しにくい。結局参考書や問題集は好きか嫌いかのような話に集約されてしまい易い。その中身は問われないのだ。筆者は現代文の参考書問題集の良し悪しは著者の材料とする原文の選択眼と解説の真摯さによると考えている。材料の例題文の数を極力絞り込むこと、そしてその原文に対して詳しく読解の背景となる知識も載せて解説することが大事だ。この点問題文と解説文の長さを比較することも有効だろう。現代文は知能の発達,能力自体の養成に極めて有効だ。単に問題が解けた解けないの話ではない。粘り強く原文を読むことによりたとえ正解が得られなくとも沢山のことを学べるのが現代文だ。筆者の教室では駿台の課題文集「頻出現代文を読む」で課題別に深く読む練習をさせ、詳しく解説し、「Z会の現代文のトレーニング」をレベルの応じて解く。基本的に学年別ではない。国語力は年齢と関係していないのだ。
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