東大叡智会

名著紹介(2)銃病原菌鉄

Top > 塾長だより一覧 > 名著紹介(2)銃病原菌鉄

2022.8.14

1997年発表の歴史に残る世界的名著である。此の本を勧める教養人は多い。原題はGuns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societiesといい、かつての原題はGuns, Germs and Steel: A Short History of Everybody for the Last 13,000 Years

本書はユーラシアや北アフリカの文明がなぜ生き残り、他の文明を征服してきたのかについての説明を試みており、ユーラシアの覇権はユーラシアの知的、道徳的、または固有の遺伝的優位性に起因するものであるという考えに反論している。白人優位主義に対する反論の根拠ともなっている。本のタイトルは、農耕をベースとした社会が他の地域の人々を征服し、時に数で圧倒的に劣るにもかかわらず支配を維持した手段に言及したものである。優れた武器は即時的な軍事的優位を提供した(銃)、ユーラシアの病気は免疫を持たない地域の人々を弱らせ、減少させ、支配を維持することを容易にした(病原菌)、耐久性のある輸送手段(鉄)は帝国主義を可能にした。ユーラシアの文明は巧妙さの産物ではなく、機会と必要の産物であると主張している。つまり、文明は優れた知性から生まれたものではなく、ある前提条件により可能となった発展の連鎖の結果であると結論付けている。結論の根拠は空想や思い込みでなくある程度の実証(土地地理気候家畜等)が伴っている。スペイン人ピサロとその手下168人が人口数百万兵士8万人のインカ帝国を滅ぼし得た理由はまさに銃病原菌(人口の95%が新来の疫病天然痘で死亡)鉄(インカ文明は石と青銅のみ)であった。

 

 

お問い合わせ
- Contact -

〒904-0324 沖縄県中頭郡郡読谷村長浜
PageTopへ