米国で医師になる難易度は

2023.7.10

わざわざ海外で医師資格を取る場合いくつかの理由が考えられる。１国内の医学部は難易度が高い（数学や物理が苦手）ので、一旦入りやすい米国のliberal arts college （教養学部、幅広く学んで大学院進学に備える）に進学してそこで頑張って医科大学院（医学部専門課程）に進学するコース。ただし米国医科大学院は競争が苛烈で、教養課程の４年間の成績評価が基本straight A（オールA）でなければならない。正確に言えばオールAであっても医科大学院に合格する保証はないのだ。２帰国子女またはインターナショナルスクール等の出身者で日本語が苦手で英語で学ばざるを得ない場合。この場合は数学理科等の理数系教科に苦しむことが多い。しかし１のケースで医師になられた方は少数だがおられる。その貴重な経験談を語った体験本も存在する。やはり苦しむのは語学つまり英語だろう。オールAは米国人でさえ取るのが難しいのだ。授業料は米国人でない場合原則３倍となることもある。学部と医科大学院合わせて最低８年間の学費と生活費が必要だ。更に困難なのは米国の医師免許は基本州毎の管理なので、外国人の取得が難しい。その州の人間（親や本人が税金を収めてきた州）でなければ難しいことさえある。よほど意志がかたいか、米国市民権や国籍があり、なおかつ英語が母国語のレベルにある以外はお勧めしない。費用が安く（国公立や一部の私大医学部）入試さえ受かれば卒業しやすく医師に対する規制が緩い日本が一番楽なのは間違いない。例外は入試が英語のみという東ヨーロッパで取得するケースだろう。筆者も最初私的業者が行っている怪しいビジネとだと考えていたが、（私的ビジネスには違いないが）沢山受け入れて少数しか日本で医師免許を取れていないが、公的に医師国家試験が受験可能なら、そして法外な授業料でないなら、それにもまして日本の医学部に合格できる見込みがないなら選択肢の一つとして十分考える価値がある。