東大叡智会

戦争で死ぬということ

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2023.7.14

1937年7月に日中戦争、1941年12月に太平洋戦争がはじまり、1945年8月15日の終戦までの8年間に、日本軍は軍属も含め約230万人が亡くなった。

筆者は最近まで戦争で死んだ軍人は何となく戦闘で死んだと思いこんでいた。しかし事実は全く異なっているのだ。

あるデータによると軍人・軍属の87.6%は1944年1月以降に亡くなっている。問題はその死に方だ。日本軍は1944年以降、戦病死者が多く、ある中国の連隊の史料では戦病死者が戦没者に占める割合は73.5%にもなった。実際に全戦没者で見れば、この数字より多い可能性が高い。その戦病死の中身も、栄養失調による餓死、あるいは栄養失調の果てにマラリアに感染というケースが多い。餓死の比率は61%や37%などの説があり、確定はして以内がおおよそ半数が餓死者!だったと言っていいだろう。つまり敵と戦うような状態ではなく病人に戦争をさせていたような状態だったのだ。硫黄島の戦闘で生き残った鈴木栄之助氏は当時の死者の内訳をこう記している。 敵弾で戦死したと思われるのは三〇%程度。残り七割の日本兵は次のような比率で死んだと思う。六割 自殺(注射で殺してくれと頼んで楽にしてもらったものを含む)。一割 他殺(お前が捕虜になるなら殺すというもの)。一部 事故死(暴発死、対戦車戦闘訓練時の死等)>(小笠原兵団の最後)。少なくとも最後の一年1944年6月のサイパン陥落(日本本土への集中的な爆撃が可能となった)-1945年8月15日迄は既に事実上敗れた国が国民の命をないがしろにして無茶な戦争を継続していたのに過ぎないのだ。

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