2024.3.24
大手塾の中には難関校を受験するクラスにおいて、塾の授業料減額などの優遇措置を受ける際に「塾が指定する高校を受験する事」が特待生の条件として存在している。この悪しき習慣は随分昔から一部の大手塾の間に定着している。授業料を減免する代わりに、難関校の合格者数を稼いでもらうやり方だ。筆者がかつて教室を開いていた九州のある都市では受験料と旅費を負担する塾があるという噂が普通に語られていた。恐らく高校入試だけでなく、中学入試でも行われていると思われる。九州で言えば難関ラサール、久留米附設にトップクラスで合格できる力のある子は当然開成灘等の最難関に合格する力がある。たまたま合格ということもあるだろう。偏差値73と75の間には大きな違いはない。当日の調子と出題された問題との相性の問題だ。
今年2024年は都立の名門日比谷高校で二次募集が行われる。日比谷高校側が予想したより多く、合格者の中から入学辞退者が出たからである。日比谷高校では過去の受験者数、学力今年の受験者学力等の数値を駆使して、歩留まり、つまりどれくらい入学辞退者が出るかを綿密に計算したに違いない。しかし辞退者はこの予想を遥かに超えてしまった。都内の都立向けの塾を経営されているある先生は怒りを抑えて次のように書かれている。塾関係者への呼びかけだ。そのまま引用する。
「合格実績」が塾選びの際に重要な指標となることは確かですが、日々の授業に魂を込め、一つ一つ全力で行っていれば、自ずと結果に繋がるものではないでしょうか。その努力を怠り、お決まりの前年比右肩上がりのグラフを作成すべく、結果の数合わせだけに奔走する現場の塾講師はどのように感じておられるのでしょうか。そのようなことをしたいと思って、塾業界に身を置いたわけではないと思います。「目の前の塾生の成長の一助となりたい!」と熱い志を持って仕事を始めたはずです。その気持ちを思い出し、大切にされて下さい。(会社の方針に従いたくないのであれば、力をつけ独立されるか、自分の考え方とマッチする会社への転職をお勧めします)
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